丁六 (ちょうろく) 

頭部が長方形のもので、角をとったり割れ目に溝などの加工を一切していないもので、長さは、15cm〜20cm前後まで。 
名前の由来は 
江戸時代に庶民の貨幣であった「丁六銀貨」「丁銀」から、一般大衆に親しみやすい箸ということから、明治10年代に下市町で、箸の名として付けられた。 

 小判 (こばん) 

丁六箸の四つの角を削って、面取り加工をした箸。長さは、15cm〜20cm前後まで。 
名前の由来は 
四つの角を削ってあるので、頭部から見ると楕円形になっており、見た目が、小判ににていることから、明治10年代に下市町で、箸の名として付けられた。 

 
  

 元禄 (げんろく) 

小判箸の割れ目に溝を付け、割りやすく手触りが良いように加工されております。 長さは、15cm〜26cm前後まで。 
名前の由来は 
元禄時代、幕府財政の窮余の一策として、小判に含まれる金の含有量を減らし、改悪した貨幣で「元禄小判」があり、箸の名も、溝を付けた分だけ減っていると言うことから、箸の名として付けられた。 
この分量を少なくする便方は、袖丈を短くした着物を「元禄袖」と呼び、着物にまで応用され、今も残っています。 
  
 
  

 利久 (りきゅう) 
利休箸の形を取り入れた「松葉箸」の割れ目のところに、溝加工をして「両口箸」にしたものです。 
その形が、2本仲良くくっついて夫婦のようであることから「夫婦利久」とも呼ばれます。  
長さは、21cm〜26cm前後まで。 
  
 
  
 天削 (てんそげ) 
頭部(天)を斜めにカットされたもので、溝の加工はありませんが、先端の料理を挟む部分には面取り加工がしてあります。材質に関しましては、吉野杉で作られたものが高級品とされています。 
名前の由来は 
天が削られている形からこの名前があります。 
大正5年頃、下市町で考案されました。 
  
 
  

 利休箸(懐石箸) 
この箸は、材質に吉野杉を使い、形は中太両細の面取りの落ち着いた静かな形状を持つ「中広平箸」です。 
 千利休は、客を招く日には朝必ず、吉野より取り寄せた赤杉の箸材を、お客の人数分だけ小刀で両端を細く、軽く持ちやすく、食べやすい箸を削り作ったといわれています。しかも、削り立ての赤杉の箸は、主人の温かい心を豊かな香りとして伝えます。